植物学雑誌
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キララタケの性に就て (豫報)
木村 劼二
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1951 年 64 巻 753-754 号 p. 81-86

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抄録

1. キララタケ Coprinus micaceus (Bull.) Fr. の性に關して研究した。
2. 2箇の野生子實體より夫々18及び20の單胞子培養菌糸を分離しこれ等を子實體別にあらゆる組合せ培養した結果, 本菌は明らかにheterothallic であり四極性を示した。尚兩實驗結果に於て2組の性因子が linkage するかのような傾向を示した故, 更に110の單胞子培養菌糸について確めたところ linkage は認められなかった。
3. 同一産地の野生子實體間に於て既に性系統の相違が見られた。
4. 複相菌糸の生長速度は單相菌糸のそれの約2.1倍であった。
5. 複相菌糸は clamp-connection を有し馬鈴薯塞天上で極めて容易に且つ短時日に子寳體を形成する。單相菌糸は oidia を形成し稀に子實體の始原體を生じたが發育はしなかった。
6. 單胞子培養菌糸38系統76培養につき複相菌糸への自然轉化を調べたが5乃至9箇月を經るも殆んど變化は認められなかった。依つて本菌は性に關しては安定であり Vandendries 氏の hetero-homothallism 説はあてはまらぬもののようである。

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