1959 年 72 巻 852 号 p. 255-260
1. 前報では長野県縞枯山にみられる, シラビソ•オオシラビソの立枯れからなる縞枯現象について報告したが, この縞枯の発生初期にあると思われる半月形のものは, 北八ケ岳の蓼科山, 横岳, 雨池山, 中山,稲子岳などに, また奥秩父の三宝山, 甲武信岳, 木賊山, 雁坂山などにもあることがわかった。
2 線状トランセクトによる調査の結果, これらの半月形縞枯はよく発達した直線形の縞枯に似た内部構造をもっていることが明らうふにされた。 またその発生は山の南側 (南東-南-南西) 斜面のシラビソ•オオシラビソの優群集に限られ, 発生の高度は海抜2100-2500m. の間であることがわかった。
3.これらの半月形縞枯が時間と共に直線形の縞枯に発達する過程について考察をおこなった。