1961 年 74 巻 874 号 p. 178-185
1) ホウレンソウの葉のホモジェネートに強力な光化学的亜硝酸還元系の存在することを証明した. これは新しい型の葉緑体反応である.
2) ホモジェネートからグラナ標品 (G) と酵素標品 (E: Photosynthetic nitrite reductase とよぶ) とをそれぞれ分離し, 精製したものを用いて再構成実験を行なった. GまたはE単独では亜硝酸還元は起こらないが, GとEとを共存せしめて光を与えると, 顕著な亜硝酸還元反応が起る.
3) EとGとよりなる光化学的亜硝酸還元系におよぼす酵素濃度•グラナ濃度•基質濃度•pH•緩衝溶液の組成の影響をしらべ, この系の生化学的諸性質を明らかにした.
4) 前報で提出した機作模式の妥当性に関して論議した.