1962 年 75 巻 887 号 p. 195-198
寒天培養基中のC-N (しょ糖-ペプン) 組成がフクロタケ菌糸の生長に及ぼす影響について研究した結果, 次のことがわかった.
1) 一定のしょ糖濃度では, 菌叢密度はペプトン濃度が増すにつれて高くなり, その割合はしょ糖濃度が高くなるほど大であった.
2) 菌糸の伸長速度はC-N組成の相違によって著しい影響は受けなかったが, 各しょ糖濃度につきペプトン濃度0.1, 0.2, 0.4g/dlにおいて多少促進される傾向を認めた.
3) 栽培床においてフクロタケ菌糸のじゅうぶんな生長を促すためには, わが国での従来の退床材料である稲わらに, 床内のC-N組成を考慮した適量の栄養物質を添加することが必要であると思われる.