植物学雑誌
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アサガオの花芽形成を支配する光条件について IX
暗期前に与えた近赤外光の影響 (続報)
滝本 敦内藤 佳之
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1962 年 75 巻 888 号 p. 205-211

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抄録

1) 12時間の暗期前に与えた近赤外光(FR)の開花促進作用3)は, FRの強さが弱いほど著しく, またFRの照射時間が長いほど(4時間以内)著しい.
2) 12時間の暗期前に与えたFRの開花促進作用は, 暗期直前に5分間赤色光を照射することによって消却されることなく, むしろ促進される.
これらの結果は “暗期反応の初期段階がFR下で進行しうる” というわれわれの仮説3)を支持するものである.
3) 暗期の最初の30分間FRを照射すると, 暗期(FRの照射時間を含めて)が13時間以上の場合にはFRは開花を抑制し, 暗期が13時間以下の場合にはFRは開花を促進する.

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