植物学雑誌
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ガラス菌の研究
第4報. 菌胞子のガラス表面における気中発芽について
大槻 虎男
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1962 年 75 巻 888 号 p. 221-227

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抄録

12, 15, 20, 25, 32, 38°の各温度は 100% から 50% R.H. に至る各湿度で実験した. ガラス菌はNo.1. No.7, No.16の3菌株, 比較としてコウジカビ, クロカビを供試した. 結果は2, 3, 4図にあげた.
ガラス菌は気体としての水を利用するが, 液体としての水(純)は利用できない. コウジカビなどは液体としての水で最もよく発芽する.
気中発芽の結果と, さきに報告した培養液における発育試験の結果とを比較考察した. その結果は気中発芽の方がより高い乾燥度にたえて発芽することを示している. ガラス菌がレンズなどによく発育する理由のひとつはここにあると考えられる.

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