1965 年 78 巻 923 号 p. 149-155
モエジマシダの配偶体の発達過程において一次元生長から二次元生長への変換は光によって制御される.弱光や赤色光では糸状生長のみが続き, 平面生長には入らない. 平面生長への変換のためには強光, 十分な青色光が与えられることが必要である. 基本培地にマンニットを入れると, 白色光下では一次元生長のみが続く. マンニットのこのような影響は青色光下では完全に打ち消される. 一方可溶性デンプンは白色光下で上記の変換を促進するが, 赤色光下ではこの影響は見られない. マンニットと可溶性デンプンの間には拮抗作用があることが認められる.