植物学雑誌
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ハスの種子の中のグルタチオン
豊田 清修
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1965 年 78 巻 930 号 p. 443-451

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抄録

1. ハスの幼芽と子葉の中にはかなり多量のグルタチオンが含まれている.
2. 成熟しつつあるハスの種子の総グルタチオンの量は徐々に増加する. 初めの段階では還元型が多い が, 成熟の終りには酸化型の方が還元型より多くなる.
3. 発芽しつつあるハスの種子の中のグルタチオンの量は急激に増加する. そして還元型の増加率は酸 化型のそれより大きい.
4. 未熟のハスの果実における還元型グルタチオンの量は1年間の保存によって著しく減少する. これ はいろいろの他の植物の熟した種子についても同様である.
5. 完熟したハスの果実においてはグルタチオンの量は6年間貯蔵によってそれほど変化しない.
6. 一般に保存した植物種子の発芽の割合はその還元グルタチオンの含有量と密接な関係があるようで ある.

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