植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
Print ISSN : 0006-808X
ISSN-L : 0006-808X
光発芽種子の光依存性の変異の由来について
横浜 康継
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 78 巻 930 号 p. 452-460

詳細
抄録

イワアカバナの種子が瞬間的照射のくり返し, すなわち間けつ照射によって, 長時間照射によると同様 に発芽誘起を受けることが知られていた. 筆者はこの現象を解析すると共に, 今まで長時間の照射によってのみ発芽誘起を受けるとされていたオトギリソウなどの種子が, やはり間けつ照射によっても発芽誘起
を受けるということを見いだした.
イワアカバナとマツカゼソウの種子に対する問けつ照射の場合の最適照射間隔は約9時間であるが, クガイソウの種子の場合のそれは24時間より長い時間である. イワアカバナとマツカゼソウの種子では, 照 射間隔が9時間より長くなるにつれて照射による発芽誘起の効果は低下するが, これは光周的花芽形成の
場合と共通の機作によるものと考えられる. イワアカバナやオトギリソウなどの種子は発芽に間けつ照射か長時間照射を必要とするのに対し, エゾノギシギシ種子は一回の瞬間的照射で発芽が可能となる. このような両型の差異は,光反応に結びついた ある暗反応の, 一回の瞬間的照射によって実際に進行する量と, 種子が必要とするそれの量との関係の差
異に基づくものと考えられる.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本植物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top