植物学雑誌
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アサガオ, ルピナスおよびモモの種子における “酢酸エチル可溶性” および “水溶性” ジベレリン様物質について
小川 幸持
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1966 年 79 巻 932-933 号 p. 69-76

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抄録

1. アサガオ, ルピナスおよびモモの種子よりエタノール抽出をおこない, エタノール除去後水にとかし た. この抽出液を pH3にして酢酸エチルで抽出をおこなった. 水層に残つている物質は活性炭に吸着さ せ, アセトンで溶出して, これを“.溶性” フラクションとした. 酢酸エチル層はさらに “酸性” および “中性” フラクションに分けた. 各このフラクションは種々の溶媒を用いてペーパークロマトグラフィー で分割をおこない, そのジベレリン様物質をイネ苗テストで調べた.
2. アサガオの酸フラクションと水溶性フラクションにあるジベレリン様物質のグロマトグラム上のRf 値は互に異なる. 酸性フラクションのRf値はGA1, A3およびA6の値に似ている. 水溶性フラクション のそれはA1-A9のいずれとも異なる.
3. ルピナスの水溶性フラクションのジベレリン様物質のRf値は酸性フラクションの小さいRf値の方 と同じである. この値はGA1-A9のいずれとも異なる. 酸性フラクションの大きいRf値の方はGA1, A3 およびA6のRf値に似ている.
4. モモの酸性と水溶性フラクションのジベレリン様物質は同じRf値を示す. この物質はGA1-A9の いずれとも異なる.

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