植物学雑誌
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コシダおよびウラジロの生長点にっいて
相馬 研吾
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1966 年 79 巻 939 号 p. 457-466

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抄録

1. 原生中心柱を持つコシダおよびウラジロの根茎頂端部では構成する細胞がほぼ放物線状に配列する層状構造を示し, 最下部の放物線状の細胞列をもって頂端分裂組織の境界と定めた. 頂端分裂組織は次の3部より成る. 1) Apical segmentation zone (SZ): 半球状の頂端部の表層で,中央の三角すい状の頂端細胞とそれに由来する細長い細胞群から成る. 2) Mother cell zone of the stele (MS): 前者の下方に広がる組織で原生中心柱の各組織を形成する. 3) Mother cell zone of the cortex (MC): 側方にある組織で皮層に分化する (第10図参照). 2) 両種とも葉は根茎背面に 1 列に付く. 葉原基は, 茎の頂端細胞の派生細胞の 1 つに由来する 1 個の頂端細胞を持つ. 葉の頂端細胞は, 初めは直方体状であるが ,葉原基の発達と共に 4 側面を持つ角すい状, 2 側面を持つすい状と変わり, 最後に半球状となる. 葉跡条は求頂的に分化し,初めから茎の中心柱と連絡している. 3) 側枝はコシダでは根茎背面に葉と交互に形成されるが, ウラジロでは葉の基部側面に 1 個ずつ左右交互に形成される. いずれも側枝の頂端分裂組織の構造は主軸のそれと同じである. コシダでは側枝の頂端細胞は葉と同じく主軸の頂端細胞の派生細胞の 1 つに由来し, 周囲に SZを形成する. また主軸の中心柱との連絡からみてもコシダの分枝は単軸的であると考えられる.

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