植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
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アサガオ日長習性の系統間差異
今村 駿一郎村松 幹夫北条 慎一滝本 敦
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1966 年 79 巻 940-941 号 p. 714-721

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抄録

種々の長さの暗期を7回与えた場合の限界暗期は木立, テンダン,紫, 紫覆輪,ネパールの順に長くなり, アフリカでは14時間の暗期を7回与えても花芽をつけない. 始め挙げた4系統は暗期16時間の短日1回で100%花芽をつけるが, ネパールでは2回アフリカでは10回を要する. 反応性を異にする2系統を呼び接ぎして, 1. テンダンの葉-テンダンの芽, 2. テンダンの葉-ネパールの芽, 3. ネパールの葉-テンダンの芽, 4. ネパールの葉-ネパールの芽の4つの組合せを作り, 短日処理すると1は沢山め花芽をつけ, 4は花芽をつけず, 2および3は少数の花芽をつける. この事から暗期に対する反応性の弱い系統では一定の長さの暗期中に葉の中に成立する刺激も弱く, 同一刺激に対する芽の反応も弱いことが判る.

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