植物学雑誌
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タバコ植物の生理学的研究 I
光合成活性と生育段階との関連および摘芯処理の光合成活性におよぼす影響
藤茂 宏和田 喜徳砂口 博志大森 護
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1966 年 79 巻 940-941 号 p. 722-732

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抄録

1) Infra-red gas analyzer (Liston-Becker Model 15A) を検出器として用いた測定装置を組み立て, タバコ植物の光合成活性と生育段階との関連および摘芯処理の光合成活性におよぼす影響をしらべた. 実験材料としては次の3栽培品種のタバコを用いた: ホワイトバレー種, ブライトイェロー種および備中種. 2) 得られた知見の主なものは次の如くである. (a) 生育段階の進行に伴なう個体当りの全光合成活性の消長は単調な経過ではなく, 最大生長期から成熟期にかけて2乃至3の山を示した. (b) 単位葉面積当りの光合成活性は個体当りの全光合成活性が最高値を示す時期よりももっと早く, 移植後50日ごろに最大であった. その後, 次第に低下し, 成熟期に再び若干の回復を示すことが認められた. (c) 摘芯処理の影響はホワイトバレー種とブライトイェロー種の場合は顕著に認められたが, 在来種の備中種ではほとんど認められなかった. 3) 生育段階の進行に伴なう光合成活性の消長および摘芯処理の影響について論議した.

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