1967 年 80 巻 943 号 p. 23-26
タバコ植物の光合成活性を調べるために, チトクロームfの定量をこころみた. タバコの葉には, いろいろな物質が多量に含有されているために, 従来おこなわれていた方法でチトクロームfを定量することは不可能であることがわかった. そこで葉緑体を取り出し, この葉緑体についてチトクロームfの定量をおこなった. Triton x-100を含むアンモニア性エタノールで抽出し, さらに, アセトン, 硫安等で不純物を取除いた. この方法によると, 葉緑体に存在するチトクロームfのおよそ半量が抽出される. 抽出されるチトクロームの量は, タバコの種類によってほとんど影響をうけないがクロロフィル含量は, 種類によって大きく変わる. したがって, チトクロームf 1分子に対するクロロフィル分子数の比は, 種類によって大きく変わるものと思われる.