植物学雑誌
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バラ花弁の色調発現の研究 (第4報)
赤色花弁の反射曲線とアントシアン溶液の透過曲線との比較
安田 斉
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1967 年 80 巻 944 号 p. 86-91

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抄録

(1) 種々の濃度のシアニン溶液の分光透過率曲線 (透過曲線と略称) と, 赤色系バラ花弁の分光反射率曲線 (反射曲線と略称) とを巨視的な立場で比較した. (2) バラ花弁中, 主としてアントシアンを含む部分のpHは指示薬法により3.0前後と推定されたので, シアニン溶液のpHは2.0~3.5の範囲にした. (3) シアニン溶液ヘルチンを添加するとき, そ の透過曲線を反射曲線に近づける効果がある. (4)花弁の表面観から, その反射光には内部の色素による選択反射光のほか, 色素に影響されない所謂表面反射光が小部分あると判断されるので, 両曲線を比較する場合には, これを考慮に入れなければならない. (5) 以上の点を考慮すれば, シアニン濃度が比較的高いときは, 両曲線の形は基本的に近いといえる. 本研究に当り御指導を賜った信州大学中山 包先生および反射率測定法を御教示下さった竹村寿二先生に深甚なる謝意を表する.

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