植物学雑誌
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ナンキンマメ葉における γ-ヒドロキシ-γ-メチルグルタミン酸の代謝
田中 実西沢 一俊三輪 知雄
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1968 年 81 巻 960 号 p. 318-327

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抄録

グルタミン酸のγ-位置換体は植物界に広くその分布が確認されているが, その生理的意義ならびに代謝系路についてはほとんど未詳である. 著者等はナンキンマメ葉にvacuum infiltration 法によって与えた14C-標識化合物の放射能を追跡することによって, それら置換体の一つγ-ヒドロキシ-γ-メチルグルタミン酸 (γ-HMGA) の代謝を調べた.
U-14C-ピルビン酸を与えるとγ-HMGAは他のアミノ酸と同様にすみやかに標識化される. したがってγ-HMGAの炭素骨格は, 少くともその一部は, ピルビン酸に由来すると考えられる.
与えられたU-14C-γ-HMGAは比較的すみやかに代謝される. その放射能は5分後にすでに多くのアミノ酸にとりこまれるが, その際もっとも高い比放射能を示す物質は,二, 三のクロマトグラフ的性質の一致からγ-ヒドロキシグルタミン酸(γ-HGA)と推定された. しかしながら, ナンキンマメ葉から抽出された粗酵素標品によると, γ-HMGAからγ-HGAはできず, アラニンの生成を認める.
これらの知見に基づいてγ-HMGAの代謝系路に考察を加え, γ-HGAが生ずる2, 3の可能性について議論を試みた.

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