植物学雑誌
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二三の菌類における Thiamine および その燐酸エステルの動態
菊地 正彦莞野村 幸喬林 孝三
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1968 年 81 巻 960 号 p. 328-333

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抄録

変形菌 Physarum polycephalum, 担子菌シイタケLentinus edodes,子のう菌Aspergillus oryzae,Neurospora crassaについてチアミンとその燐酸エステルの定量を行なった. また〓紙クロマトグラフ法, 〓紙電気泳動法を用いて, シイタケの子実体の発育段階に伴なってみられるエステル型チアミンの同定を行なった.1) 変形菌が乾燥して休眠状態となった菌核には多量の燐酸エステルが認められるが, 変形体へ戻った直後のものでは極めて少量となる (表1).2) 菌糸中ではエステル型チアミンが遊離のチアミンよりはるかに多い (表1,2).3) シイタケでは, 子実体の発達につれてエステル型チアミンが増量し, 胞子形成の時期に最高となり,以後は急激に低下する (表2).4) 〓紙クロマトグラム法, 〓紙紙電気泳動法による同定では, シイタケ子実体の各発育段階にみられるエステル型チアミンは二燐酸エステルで, 三燐酸エステルは検出されなかった. なお, クロマトグラム上の知見では, 二燐酸エステルのスポットの大きさはほぼ定量値と平行し, 胞子形成が行なわれる時期に最大となる.

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