暗所に生育したインゲンマメのプラスチド内に生ずるプロラメラボディを, 連続切片によって電子顕微鏡 で観察し, その立体構造について考察した. 同一のプロラメラボディでも切片の厚さが異なると, その観察 像には大きな違いが現われることを認めた. 切片作成に当って, プロラメラボディに対する方向と厚さを調 節することの必要から, それが可能であるモデルを作成し, 切削の方向と厚さを調節したモデルの切片像と 電子顕微鏡像とを比較検討した. この方法によって, インゲンマメのプロラメラボディでは1個の中心点か ら出る長さ, 太さ, および互いになす角度の等しい4本の腕が基本構造となり, そのような中心点が12個 組み合って一つの単位を作っていること, およびこの単位の繰り返しによってプロラメラボディがつくられ ていることを確かめた.