植物学雑誌
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オオムギめばえの芳香族 アミノ酸アンモニアリアーゼ活性
細井 和夫吉田 精一長谷川 正男
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1969 年 82 巻 972 号 p. 239-243

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抄録

オオムギのめばえに, 3種の芳香族アミノ酸フェニルアラニン•チロシン•ドーパを脱アミノする酵素活 性が検出された. とくにドーパ•アンモニアリアーゼがかなり強い活性をもっていることが明らかとなった.
チロシン•アンモニアリアーゼとドーパ•アンモニァリァーゼとはほぼ等しい活性を示したが, これに 対してフェニルアラニン•アンモニアリアーゼは前2者にくらべて10倍も高い活性をもっていた. 明暗両 条件下で育てたオオムギめばえでこれらアンモニアリアーゼ活性を比較したところ, 光によってこれらの酵 素活性がいちじるしく高まることが明らかとなった.
また発芽の各段階でのこれらの酵素活性の消長をしらべると, 根では発芽後, 急速に酵素活性の増加が おこり, 4日目に最大に達してから徐徐に減少していったが, 地上部では実験期間中ずっと活性が増加し てゆくことが認められた. 根におけるこのような酵素活性の消長は, ホルデニン含量の消長と対応しており, 根における芳香族アミノ酸の代謝が発芽初期に活発に行なわれていることを示唆している.

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