日本臨床歯科学会雑誌
Online ISSN : 2759-1883
Print ISSN : 2435-8517
象牙質知覚過敏症におけるフッ素イオン導入法の最適条件と根面被覆術への応用性の検証
綿引 淳一和田 明大石田 尚子上野 博司行田 長隆榊原 毅笹生 宗賢長谷川 幸生田中 準一美島 健二
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2024 年 10 巻 1 号 p. 60-67

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抄録
目的:フッ素イオン導入法の象牙質知覚過敏症に対する有効性と,ヒト歯根膜線維芽細胞(HPdLF)に対する生体反応の検証. 方法:象牙質切片に対し,異なる導入時間における象牙質切片へのフッ素イオン取り込み量を測定した.さらに,フッ素イオン導入を行った象牙質切片上でHPdLFを培養し,細胞毒性を評価した.また,前向き介入研究により,患者の痛みの軽減効果も評価した. 結果:10分間のフッ素イオン導入は,短時間の導入に比べて有意に取り込み量を増やし,HPdLFの生存率に毒性は認めなかった. 10分の導入は,3分の通常治療に比べて疼痛を有意に軽減させることに効果的で,根面被覆術前の象牙質知覚過敏症の処置としても有用である可能性が示唆された.
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© 2024 日本臨床歯科学会
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