日本腎臓学会誌
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蛋白尿による腎1型コラーゲン産生応答を規定するゲノム領域の同定
加藤 信孝岡田 浩一鈴木 洋通
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2007 年 49 巻 8 号 p. 992-998

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抄録

目的: 腎間質線維化はすべての進行性糸球体疾患において, 腎不全に至る過程で派生してくる病変であるが, その進行リスクとして家族歴があげられており, 遺伝的要因の関与が示唆される。そこで, 蛋白負荷蛋白尿モデルマウスを作製して, 腎における1型コラーゲン沈着量が最大および最小となる純系マウス系統を用いて, その反応性を規定するゲノム領域を連鎖解析により同定する。
方法: 9種類の純系マウスを6週齢で片腎摘出し, 7週齢目より6週間ウシアルブミンを投与した蛋白尿モデルを作製し, その残腎を用いて直接ELISA法で1型コラーゲン沈着ウスを量を測定し (phenotype), その結果より高反応性と低反応性マ決定した。両者間で交配させたF1マウスを高反応性マウスと戻し交配 (F1 backcross (F1BC)) して, 得られた120匹のF1BCマウスを対象として phenotype を決定し, また, 80個のマイクロサテライトマーカーを用いてPCR genotyping を行い, quantitative trait loci (QTL) 解析を行った。
結果: 沈着量が最も高値であったマウス, 最も低値であったマウスはそれぞれ, 129S1/svImJとC57BL/6Jであった。F1BCのQTL解析により, 染色体2番上のD2Mit224の近傍 (81.7cM) にLODスコアのピーク (2.84) を認め, phenotype への影響度は10.2%で, 95% confidence interval である75.7-97.7cMにQTL (候補遺伝子) の存在が示唆された。
結論: 蛋白尿負荷による1型コラーゲン産生応答を規定するゲノム領域をQTL解析によって検討し, 染色体2番上のD2Mit224近傍に存在することが示唆された。今後, この領域に局在する候補遺伝子の同定を試みる。

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