日本泌尿器科学会雑誌
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原著
新潟大学における小児腎移植の臨床的検討
黒木 大生田崎 正行齋藤 和英中川 由紀池住 洋平鈴木 俊明山田 剛史長谷川 博也丸山 馨今井 直史高橋 公太冨田 善彦
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2018 年 109 巻 1 号 p. 14-19

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抄録

(目的) 小児腎不全の治療目標は生命予後の改善のみならず患児を健常児と遜色なく心身ともに健やかに成長,自立させることである.腎不全患児が安心して成人を迎えるためには5~15年以上にわたって移植腎機能が保たれる必要がある.我々が1995年から2014年までに経験した症例につき検討し,報告する.

(対象と方法) 1995年12月から2014年8月までに腎移植を行い,移植時に16歳以下であった26名,27症例を対象として後方視的に検討した(1例のみ期間中に2回の移植を経験).

(結果) 当院での移植腎生着率は1年,5年,10年でそれぞれ96%,96%,88%であり諸家の報告と遜色のない成績であった.腎廃絶は3例に認められ,廃絶の原因は移植腎血栓症,ステロイド抵抗性拒絶反応,抗体関連型拒絶反応だった.Drug non-adherenceは拒絶反応を高率に誘発し,その後の移植腎機能悪化に関連していた.また移植腎機能悪化は,その後の成長にも悪影響を及ぼした.移植後の就職状況は,経過観察中に18歳以上となった18例(69%)中,作業所勤務やアルバイトも含めれば17例が職に就いていた.

(結論) 小児腎移植において服薬指導を徹底しdrug non-adherenceを防ぎ,拒絶反応を防ぐことが長期の移植腎機能温存と移植後身長の改善に寄与すると考えられた.腎移植の成功により,患児の就職状況は良好であった.

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© 2018 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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