日本泌尿器科学会雑誌
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原著
外陰腟症状質問票(Vulvovaginal Symptoms Questionnaire;VSQ)の日本語版作成と言語学的妥当性の検討
巴 ひかる関口 由紀尾崎 由美二宮 典子佐藤 嘉一高橋 悟
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2021 年 112 巻 4 号 p. 173-178

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抄録

(目的) 外陰腟症状質問票(Vulvovaginal Symptoms Questionnaire;VSQ)の日本語版を作成し,その言語学的妥当性を検討する.

(対象と方法) VSQの日本語版作成は日本性機能学会女性性機能委員会の事業として行われ,日本性機能学会臨床研究促進委員会の承認を得た.翻訳は,順翻訳→コミュニティー・レビュー→逆翻訳→原著者からの日本語版作成の許可取得および完成した逆翻訳の承認の順で行った.初回翻訳は2名の泌尿器科医で行い,さらに3名の泌尿器科医が加わり日本語訳を完成させた.コミュニティー・レビューは,閉経関連泌尿生殖器症候群(Genitourinary Syndrome of Menopause;GSM)を有する女性10名および有さない女性10名の計20名を対象として半構造化面接を行い,対象からの意見を取り入れいくつかの文言の変更および,より明確に回答できるよう独自の説明文を追加した.これを前回とは異なる被験者計20名に再度回答してもらい,修正を追加した順翻訳を逆翻訳して原著者にメール送信した.

(結果) 原著者から日本語版作成の許可を得,また逆翻訳に対する訂正指示はなく,承認が得られた.

(結論) 多段階の検討過程を経て,言語学的妥当性のあるVSQ日本語版が完成した.

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