1983 年 74 巻 5 号 p. 808-811
家兎腎を用いて, SOD (Superoxide Dismutase) の温阻血腎機能保護効果が検討された. 右腎摘後1週間目に, 左腎動静脈および尿管が90分間クランプされた. クランプ前30分と血流再開直前に, SODが各々0.5ml静注にて投与された. クランプ解除後, 腎色調の回復時間が測定された. 血清CrおよびBUNが定期的に測定された. 術後7日目に左腎摘を行ない, 病理組織学的に検討した.
1) SODを投与された腎臓の機能は, 投与されなかつたのに比べて良好であつた.
2) 温阻血腎機能保存の目的でSODを投与することは有用である.