日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
尿路結石症におけるクエン酸代謝の研究
1. クエン酸リアーゼを用いた尿中クエン酸の測定
安川 修高松 正人戎野 庄一森本 鎮義吉田 利彦大川 順正
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 76 巻 12 号 p. 1848-1854

詳細
抄録

クエン酸リアーゼ (以下CL) を用いた尿中クエン酸測定法につき検討した. 本反応の原理は, クエン酸がCLによりオキザロ酢酸に変換され, さらにオキザロ酢酸がリンゴ酸脱水素酵素とNADHの存在下にリンゴ酸に変換されるときに消費されるNADHの量を340nmで比色測定するというものである. 本測定法に影響を与えると思われる諸因子につき検討したところ, Tris HCl buffer のpHは7.2付近が最適と思われ, 亜鉛イオンの添加は反応を促進することが確認されたが, pHや亜鉛イオンの影響はCLの量が増加してゆくにつれて生じにくくなった. また Tris HCl buffer の濃度は0.1M付近で良好な反応が得られ, 高濃度の buffer は反応を阻害するようであった.
本法におけるクエン酸の添加回収率は98.5~103%, triplicate assay での変動係数は平均3.1%と信頼に足り得るものであった. 本法によって測定した健常人の24時間尿中クエン酸排泄量は男子397±159mg/day (n=66), 及び女子474±209mg/day (n=23) であった.
本測定法は前述した正確さに加え操作がきわめて簡便であり, 日常検査として活用できるすぐれた方法であると思われた.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top