日本泌尿器科学会雑誌
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実験的蓚酸カルシウム結石症における蓚酸前駆物質に関する研究
急性投与と慢性投与
諸角 誠人小川 由英
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1995 年 86 巻 5 号 p. 1022-1027

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抄録

蓚酸前駆物質であるグリコール酸およびグリオキシル酸を Wistar 系雄性ラットに急性単回投与あるいは慢性投与することにより, 蓚酸排泄および結石形成に及ぼす影響について検討を加えた. グリコール酸200mgあるいはグリオキシル酸200mgの急性投与後, 尿中蓚酸濃度は上昇し8時間以内に最高値に達していた. また, 3%グリコール酸添加食あるいは3%グリオキシル酸添加食により飼育されたラットは全実験期間を通して過蓚酸尿症を呈し, 実験開始1週後において組織学的に腎尿細管内に好酸性物質の沈着が認められた. グリコール酸およびグリオキシル酸投与群ともに投与2週後より結晶形成を尿細管内に認め, 時間の経過とともに数, 大きさとも増していた.
以上より, グリコール酸あるいはグリオキシル酸の経口投与により数時間以内に尿中蓚酸濃度は上昇し, 2~3週のうちに尿細管内に結晶形成が認められることから, グリコール酸およびグリオキシル酸は蓚酸カルシウム結石症の発生機序に深く関与していることが示唆された.

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