日本泌尿器科学会雑誌
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膀胱内再発を認めた腎細胞癌の2例
久米 春喜饒村 静江新美 文彩藤村 哲也福原 浩石川 晃西松 寛明冨田 京一武内 巧北村 唯一
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キーワード: 腎細胞癌, 再発, 膀胱
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2007 年 98 巻 5 号 p. 718-722

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抄録

腎細胞癌が膀胱に転移することは珍しく, 現在までに本邦では約30例が報告されているに過ぎない. 今回2例の膀胱転移を経験したので報告する.
症例1は87歳女性で, 17年前に右腎細胞癌に対し, 根治的腎摘除術を受けた. 2週間前頃より食欲低下・嘔気があり, 内科を受診したところ, 高カルシウム血症が発見された. 更に精査したところ, 多発性骨転移および非乳頭状有茎性の膀胱腫瘍が発見された. 経尿道的切除術を施行したところ, 組織学的に粘膜に限局した淡明細胞癌であり, 17年前の腎細胞癌の転移であると考えられた.
症例2は67歳男性で, 4年前に左腎細胞癌に対し根治術が施行された. その後, 免疫療法が行われたにもかかわらず多発性肺転移が出現した. 1ヵ月前より無症候性肉眼的血尿が出現したため, 精査したところ3個の非乳頭状有茎性の膀胱腫瘍が発見された. 経尿道的切除術を施行したところ, 組織学的に粘膜に限局した淡明細胞癌であり, 4年前の腎細胞癌の転移であると考えられた.
本報告の2例はいずれも粘膜に限局する再発であることから, 尿路内の播種・implantation がその機序として最も疑われた.

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