2008 年 29 巻 1 号 p. 32-35
近視laser in situ keratomileusis(LASIK)を受けた患者に対し,術前および術後6カ月での自覚屈折度数および他覚屈折度数の関係について検討を行った。対象は15例30眼,平均年齢29±5歳(22~39歳),矯正量は平均−4.09±1.89D(−1.5~−8.38D)であった。自覚屈折検査には自覚第二法を用い,他覚屈折検査にはオートレフラクトメータを用いて調節麻痺前後の値を,また,高次収差測定装置による4mm径および6mm径での眼屈折度数および角膜,眼球の高次収差測定を行った。術前屈折度数の結果は各群間に有意差は認められなかった。術後の結果ではプラス側からミドレフ値,自覚屈折値,ミドレフ4mm値,オートレフラクトメータ値,ミドレフ6mm値となり,オートレフラクトメータ値に対し,ミドレフ値,自覚屈折値が有意にプラス寄りの値を示した。瞳孔径の測定領域が広いと術後の球面様収差によりマイナス寄りの値になったと考えられた。