視覚の科学
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原著
屈折矯正術後の倒乱視化と裸眼視力
広川 英一
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2011 年 32 巻 3 号 p. 59-66

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抄録

目的:術後の倒乱視化群と術後直乱視群の遠見裸眼視力を比較する。

方法:2008年に屈折矯正術を受け自動屈折計で術前に直乱視(軸=0±15°),かつ術後3カ月で乱視度が−1 diopter(D)の直乱視171眼と倒乱視(軸=90±15°)124眼の遠見裸眼対数視力(logMAR)を求め,両群の最良視力を比較した。

結果:直・倒乱視群は等価球面度がそれぞれ(−0.25±0.5D),(+0.25±0.5D)のとき,最良視力を示した。最良のlogMAR(平均,95%信頼区間,標本数)はそれぞれ直乱視(−0.152,−0.170~−0.133,106),倒乱視(−0.168,−0.190~−0.146,60)で統計的有意差はなく(p=0.294),臨床的差も無視できる。

結論:術後の直・倒乱視群間で最良到達遠見裸眼視力は同じである。直・倒乱視間で最良視力が得られる等価球面度は異なる。

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© 2011 日本眼光学学会
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