2018 年 39 巻 3 号 p. 50-55
目的:小児の集団健診で弱視の見逃しを防ぐため屈折検査に検影法を用いた簡易スクリーニング判定法を考案し,基礎データからその有用性を検討した。
方法:対象は119名238眼(4~12歳)。不同視,2.00 Dより強い近視,1.00 D以上の遠視,1.50 Dより強い乱視の検出を目的とし,レチノスコープと+3.00 Dと+1.50 Dの2枚の球面レンズを用い,4手順で判定を行い自覚屈折値と比較検討した。
結果:単眼評価238眼では,異常判定(陽性)118眼,正常判定(陰性)120眼,うち偽陽性65眼,偽陰性4眼,敏感度93.0%,特異度64.1%で,両眼評価119名では陽性68名,陰性51名,うち偽陽性33名,偽陰性1名,敏感度97.2%,特異度60.2%であった。単眼評価での偽陰性4名4眼は,両眼評価では3名は陽性であったが1名が陰性であった。
結論:検影法での本法は屈折異常の検出に有用である。