視覚の科学
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原著
両眼波面センサーによる両眼視を加味した近見眼鏡処方と自覚処方との比較検討
広原 陽子広田 雅和宮川 雄雜賀 誠不二門 尚
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2019 年 40 巻 3 号 p. 44-50

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抄録

両眼視下での屈折の動的解析を用いた近見眼鏡処方の有用性を検討した。初期老視の被検者(42歳~49歳)12例に対し,前方開放型両眼波面センサー試作機(トプコン)を用い,完全矯正眼鏡装用下で5 m視標を1秒間,40 cm視標を6秒間固視した状態の収差(屈折)を30フレーム/秒で動的に測定した。さらに加入度を2 Dまで0.5 Dずつ付加し同様の測定を行い,得られた屈折の時間変化から調節ラグ,変動係数,戻りの観点で加入度を判定した。この加入度と,自覚近見処方値(視距離40 cm)と比較したところ,12例中10例は処方値のずれが±0.5 D以内の結果が得られた。外れた2例は,普段眼瞼が瞳孔にかかって焦点深度を増やした可能性や,長時間の調節維持が困難な可能性があった。本研究により初期老視の症例に対して,両眼視時の他覚測定により自覚に近い近見眼鏡処方の参考値を得ることができた。今後瞳孔径等の検討がさらに必要である。

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© 2019 日本眼光学学会
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