日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
前向き観察研究による乳がん術後照射部位における皮膚バリア機能の経時的変化と他覚症状・自覚症状との関連
宮前 奈央土田 敏恵
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2021 年 25 巻 1 号 p. 18-28

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抄録

 目的:乳がん術後照射部位の皮膚バリア機能の治療前から治療終了後までの変化を経時的に明らかにし、乳がん術後照射によって生じる他覚症状および自覚症状と皮膚バリア機能との関連について検証することを目的とした。
 方法:乳がん術後照射を受ける女性患者を対象とし、前向き観察研究を行った。放射線治療開始前から治療終了後8週目まで経時的に皮膚バリア機能と他覚症状、自覚症状について観察、測定を行った。
 結果:28名を分析対象とした。対象者の平均年齢は56.9歳で、皮膚バリア機能のうち皮脂量は治療終了後1、2週目に上昇し、表皮pH は治療3週目と治療終了後1、2週目に上昇し、皮膚表面温度は治療2週目以降継続して上昇がみられた。他覚症状のうち紅斑がみられる時期は有意に皮膚表面温度が高く、落屑がみられる時期は、有意に角質水分量が低かった。自覚症状と皮膚バリア機能の関連は、掻痒感と皮膚表面温度に正の相関がみられた。
 結論:乳がん術後照射部位において、皮膚バリア機能は治療早期から治療終了後8 週目も継続して変化していた。また他覚症状の紅斑と落屑、自覚症状の掻痒感は皮膚バリア機能の変化の指標となることが明らかとなった。

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