日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
ストーマ保有者の排泄管理技術習得の実態と習得に影響を与える要因に関する縦断的研究
藤井 誠安藤 嘉子遠藤 麻子大野 ゆう子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 25 巻 4 号 p. 665-676

詳細
抄録

 目的:ストーマ造設後の排泄管理技術の習得の実態と習得に関連する要因を明らかにすることを目的とした。
 方法:2013年1月1日から2013年12月31日にストーマを造設した107名を対象に、排泄技術・自立状況の変化を2019年4月30日まで追跡した単施設の観察研究である。装具交換、排泄物処理、装具注文の排泄管理技術習得までの時間と習得状況を、カプランマイヤー法で評価しストーマ造設後の排泄管理技術の習得の実態について分析した。さらに、性別、手術時年齢、疾患、手術の緊急性、ストーマの種類、術前ADLの影響をCox比例ハザードモデルで検討し、習得に関連する要因を探索的に評価した。
 結果:平均追跡期間1.96年、最大追跡期間5.96年、総数1,424件であった。造設後2年の排泄管理技術の習得率は、装具交換0.69(95%CI、0.58-0.78)、排泄物処理0.92(95%CI、0.81-0.97)、装具注文0.50(95%CI、0.40-0.59)であった。年齢が高く、術直前ADLが低いストーマ保有者は、ハザード比が有意に低かった。
 結論:手術時年齢と術前ADLが排泄管理技術の習得に関連する要因であった。

著者関連情報
次の記事
feedback
Top