日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
スキン-テア発症に及ぼす終末糖化産物の影響の検討:スキン-テアハイリスク高齢者における発症・非発症群の比較による横断研究
長谷川 毅
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2024 年 28 巻 1 号 p. 38-48

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抄録
 背景:Skin-tears(STs)発症へのadvanced glycation end-products(AGEs:終末糖化産物)の影響の実態は不明である。本研究はSTs既往の有無で群分けしたSTsハイリスク高齢者のAGEsと皮膚特性を比較し、STsハイリスク高齢者のSTs発症において、AGEsが皮膚特性に及ぼす影響を検討することを目的とした。
 方法:介護施設および病院で療養するSTsハイリスク高齢者を対象とし、前腕のAGEs量と生理学的・形態学的皮膚特性を測定した。総数での皮膚特性間の相関性およびSTs発症と非発症群の差を検定した。
 結果:64名(年齢中央値92歳)が参加し、STs群23名、非STs群41名だった。皮膚AGEs量の中央値は3.2 AFだった。AGEs量はヤング率とintensity score(ρ =0.34、ρ =0.44)で正の関連性があった。STs群はskin thickness(p < 0.01)とヤング率(p = 0.04)が有意に高かったが、AGEs量に有意差はなかった(p=0.46)。
 考察:STsハイリスク高齢者の皮膚では、コラーゲン密度が上がるのに伴ってAGEs量が上昇しており、AGEsによる皮膚の形態学的変化がSTsの発生に関与している可能性がある。
 結論:皮膚AGEs量の上昇はSTsの発症に直接影響することはないが、間接的にはSTsの発症に影響を及ぼす可能性がある。
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