抄録
畜産試験場と6県の研究機関の共同研究として種鶏の繁殖能力におよぼす炭化水素酵母の影響を検討した。3世代にわたり継続して対照飼料もしくは酵母15%を含む酵母飼料のいずれかを与えて飼育した, 延4,318羽による成績および, 合計40,592コの種卵を採取して行なったふ化試験の成績を要約するとつぎのようであった。
1) 産卵期間中の産卵率, 飼料摂取量, 飼料要求率, 平均卵重, 36週齢時体重には, 対照区と酵母区の間にはほとんど差がなかった。
2) 受精率とふ化率は, 酵母区のほうが少しずつ対照区よりよい成績であったが, 統計的に有意とはいえなかった。ふ化したヒナは健康で, 畸型は認められなかった。そして, 20週齢までのヒナの育成率は, 両区間に大差はなかった。
3) 産卵期間中の生存率は, 酵母区のほうがわずかに高く, 対照区との差は統計的に有意であった (危険率5%)。
4) 酵母区のヒナの発育は, 対照区より遅れ (危険率1%), 性成熟も3日遅れた (危険率5%)。この差の一部は, 試験飼料間のエネルギーおよび蛋白質含量の差によるものと考えられる。