抄録
本試験は育成期および産卵期を通じた4研究機関での協同研究であり, 卵用鶏の期別給餌法について育成期2段階, 産卵期2段階切替方式の可能性を再確認するとともに, 強制換羽をして, 採卵期間を108週齢まで延長した場合の2段階切替方式を検討したもので, 次のような結果が得られた。
1) 育成期に日本飼養標準の幼•中•大雛用飼料による切替方式で飼養した成績に対し, 幼•大雛用飼料による2段階切替方式で飼養した場合, 4~20週齢における増体量, 飼料要求率, 初産日齢, 50%産卵時卵重および生存率などに悪影響は認められなかった。
2) 20~72週齢の産卵期をCP 16%-TDN 66%飼料で飼養する方式に対し, 52週齢までCP 16%-TDN 66%飼料を給与し, その後72週齢まで粗蛋白質含量を2%下げたCP 14%-TDN 66%飼料を給与する産卵期の2段階切替方式においては, その産卵成績に悪影響が認められなかった。したがって0~72週齢においては, 育成期の2段階切替方式, 産卵期の2段階切替方式が可能であり, 飼料費の節約につながることが再確認された。
3) 採卵期間を延長するために72週齢で強制換羽をし, その間を含めて全期間をCP 16%-TDN 66%飼料で飼養する方式に対し, 強制換羽開始後76週齢まで2種混合飼料を給与し, その後96週齢までCP 16%-TDN66%飼料を給与し, さらにその後108週齢まで粗蛋白質含量を2%下げたCP 14%-TDN 66%飼料を給与する2段階切替方式をとっても, その産卵成績に悪影響が認められず, 強制換羽期の2種混合飼料の利用およびその後の産卵期における2段階切替方式が可能であり, 卵1Kg生産に要する飼料費を低減する結果が得られた。