抄録
80日齢の単冠白色レグホーン種雄雛に種々の飼料を給与し, 盲腸糞排泄の様相と窒素成分の排泄について調査した。
供試飼料は, 1区に全粒小麦, 配合飼料およびそれにイタリアンライグラス繊維部10%, フェザーミール15%または魚粉10%を添加した飼料を給与し, 2区は同程度の粗蛋白質量になるようにフェザーミール15%あるいはカゼイン13%を配合した半精製飼料を, 3区にはカゼインを0%, 10%, 20%および30%配合した半精製飼料を給与し, 次のような結果が得られた。
1) 1区の盲腸糞排泄量は全粒小麦給与が量も多く, イタリアンライグラス繊維部およびフェザーミール添加飼料給与では有意に少なかった。糞中に排泄される各種窒素成分の量は, 腸糞では全粒小麦給与で少なく, フェザーミール添加飼料で多くなった。これに反し盲腸糞では, 全粒小麦給与で多く, フェザーミール添加飼料給与で減少した。
2) 同一粗蛋白質の飼料を比較した2区は, フェザーミール配合ではカゼイン配合飼料に比して腸糞の排泄量は約2倍に増加したが, 盲腸糞の排泄量は約1/2に低下した。またフェザーミールの配合はカゼインの配合に比して腸糞中の窒素成分量が増加し, 盲腸糞では低下した。なおいずれの飼料を給与しても, 排泄回数には変化がみられなかった。
3) 飼料中のカゼイン含量が多くなると, 腸糞および盲腸糞中の窒素成分量はともに増加し, また血液中の窒素成分はカゼイン含量が30%になると増加した。