抄録
産卵鶏にマッシュ飼料を不断給餌または時間制限給餌(4時間,2時間/日)し,VTRを用いてそれぞれの場合における各行動形の占有時間を調べた。さらに,給餌時間の漸減(最少2時間/日)に伴う摂食行動の変化を観察して,ペレットを用いた同様の実験の結果5)と比較した。
1. 採食量は,1日4時間給餌期で不断給餌期の約80%,2時間給餌期では約60%まで減少した。
2. 採食に費す時間は,不断給餌期では明期の約30%であり,給餌時間の短縮に伴って減少した。しかし,飲水,つつき,羽づくろいは,給餌時間の短縮による増減が明確でなく,採食を含めた嘴を使う行動形の合計時間は相対的に漸減した。
3. 騒ぎ(Disturbed behav.)は,給餌時間が短いほど多く,特に給餌前の2~3時間に多発した。
4. マッシュの場合は,1日4時間以下の給餌時間では,量的にも制限されることとなり,その結果,騒ぎが増加し,ペレットの場合とは異なった結果が示された。