日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
SPF鶏の種卵生産に関する研究
V. 交雑鶏の産卵成績の比較
東 善行伊藤 宏
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キーワード: SPF鶏, 交雑, 平飼い, ケージ飼い
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1991 年 28 巻 4 号 p. 228-235

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抄録

本学で維持しているSPF鶏(白色レグホーン種)4系統から系統間交雑群3系,戻し交雑群2系,三元交雑群2系および四元交雑群2系の計9系の交雑鶏を作出し,各交雑群を同一の条件下において平飼いおよびケージ飼い方式での産卵成績を比較した。その結果の要約は次のとおりである。
1) 産卵開始日齢および50%産卵日齢はすべての交雑群でケージ飼いが平飼いに比べて早く,産卵開始時の卵重が小さく,それに伴い種卵適格率が低下した。
2) 各交雑群において生存率,産卵率,ヘンハウス産卵数,種卵適格率および受精率はすべて平飼い方式が高い値を示し,交雑に用いた基礎鶏より成績は改善された。
3)産卵成績は四元交雑群が最も優れていた。次いで三元,系統間および戻し交雑群の順であったが,これら3交雑群の成績の違いは小さいものであった。
4) SPF卵の生産に交雑鶏を用いることは有効な手段であると考えられた。さらに卵の生産には平飼い方式が優れていることが示唆された。

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