アヒルに対する腸管各部位へのフィステルの装着法を考案した上に,回腸中央部,回腸遠位端および直腸遠位端にそれぞれフィステルを装着した北京アヒルを用い,配合飼料,トウモロコシ,裸麦,マイロおよび玄米の消化率と消化管内通過時間について測定した。
粗蛋白質,粗脂肪および可溶無窒素物の消化率はいずれの飼料も腸管部位間に大差はみられず,直腸遠位端(100として)に対する消化率の比率は全飼料の平均として回腸中央部までに97%以上,回腸遠位端までに98%以上に達した。粗繊維の消化率は玄米以外の飼料で遠位側になるにしたがって明らかに増加し,全飼料の平均として直腸遠位端に対する消化率の比率は回腸中央部と回腸遠位端までにそれぞれ30%と82%になった。飼料の消化管内通過時間は玄米では著しく長かったが,他の飼料では差がなく,回腸中央部まで約2時間であり,回腸中央部から回腸遠位端まで,回腸遠位端から直腸遠位端まではそれぞれ約30分と20分かかった。
以上の結果から,粗蛋白質,粗脂肪および可溶無窒素物の消化吸収は回腸中央部まででほとんど完了し,回腸以降の腸管は粗繊維の消化に主な役割を果たすことが示唆された。