抄録
産卵鶏への緑茶温湯抽出物(WET)の給与が鶏の血清中成分,産卵成績,卵質,卵成分及び卵白色に及ぼす影響について検討した。市販産卵鶏用飼料(CP 18.3%, ME 2,850kcal/kg)に,カテキンを30%含むように調製したWETを0, 0.17, 0.33及び0.67%添加した試験飼料を53週齢の白色レグホン種に6週間にわたって自由摂取させた。
その結果,WET添加量が増すにつれて1)鶏の血清中脂質濃度は減少する傾向を示し,チオバルビツール酸反応物(TBARS)濃度は減少した。2)産卵率,卵重,飼料摂取量は低下した。3)卵殻強度,卵殻厚には変化が見られなかったが,ハウユニットはWET0.17%区及び0.67%区で無添加区と比較し5~8%向上した。4)卵黄の脂質含量はWET0.17%区で無添加区と比較し約10%減少した。卵黄のTBARS含量はWET0.17%区で約16%減少した。卵黄の脂肪酸組成に変化は認められなかったが,卵黄脂質1g当たりTBARS含量は減少する傾向が認められた。5)卵白の緑黄色が消失することが認められた。