変形性膝関節症を有する高齢者における客観的に評価された座位行動パターンの特徴

抄録

【目的】変形性膝関節症（以下，膝OA）の高齢者における座位行動パターンの特徴を明らかにした。【方法】対象は外来通院する高齢者55名とした。調査項目は，座位行動パターン，膝痛強度，身体機能，生活障害，中高強度身体活動の割合，社会人口学的および膝OA関連変数であった。解析は記述統計，一般化線形モデルを実施した。【結果】総座位時間543分，座位行動割合59.0％，座位行動ブレイク数6.6回，長時間の座位行動バウト数4.7回，長時間の座位行動割合44.5％であった。後期高齢者では総座位時間，座位行動割合，長時間の座位行動バウト数が多く，座位行動ブレイク数は少なかった。生活障害の重症者は，座位行動割合，長時間の座位行動バウト数が多かった。低身体機能者は，総座位時間，座位行動割合が多く，座位行動ブレイク数は少なかった。【考察】 膝OA高齢者の座りすぎには，高年齢，生活障害の悪化，低身体機能が関連する。