2016 年 51 巻 1 号 p. 11-16
大豆は,強いラジカル消去活性を有する安価で栄養価の高い食品で,活性酸素種に関連する疾患を発症する危険性を低減,もしくは疾患の進行を阻害すると考えられている。大豆へのガンマ線照射は,風味に影響を及ぼすことなく,特性を向上させるが,照射された大豆のラジカル消去活性について詳細な研究されていない。そこで,本研究では,電子スピン共鳴(ESR)スピントラップにより,各ラジカル種に対する大豆水抽出物のラジカル消去活性について調べた。その結果,大豆に照射する線量が増加すると,一重項酸素消去活性は増加,スーパーオキシドラジカル消去活性は減少した。しかし,ヒドロキシルラジカル,アルコキシラジカル消去活性は,照射と非照射大豆で有意差は認められなかった。さらに,照射と非照射大豆は,ORACでも有意差は認められなかった。本研究結果により,ガンマ線照射は,大豆の水抽出物が有するスーパーオキシドラジカルおよび一重項酸素消去活性に影響を与えることが示された。