放射線照射によって食品の貯蔵を行なう場合,食品の食用としての安全性,栄養素破壊の有無および味,色,香り,硬さ等新鮮度の変化が問題にされる。特に果実,野菜等においては,その色調が大きな印象を与え,商品価値を左右する。著者らは,チリメンジソを材料に選び,アントシアン,クロロフィール,カロチノイドの植物三色素へのγ-線照射の影響を調べたので報告する。その結果,チリメンジソ(Perilla Ocimoides)ではアントシアンは5×104rad程度まではかなり安定であるが,それ以上の線量では閾値をもって急激に分解される。クロロフィールはγ-線に対して安定で1.5×105radの照射に対してもほとんど分解されない。また,クロロフィールa:bの比もほとんど変化しない。力ロチノイドはある程度の線量の照射に対してはその含量が増加し,それ以上の線量では分解された。これらの結果は植物によって幾分の相違があるかもしれないが,食品に放射線を照射する時には,当然考慮されるべき問題であろう。