1977 年 22 巻 4 号 p. 139-144
本報では,ラットのimmunoglobulinの分離同定およびその物理化学的性質をしらべると共に,子宮液中のimmunoglobulinの存在様式の特異性について検討した。
IgGとIgAは血清および初乳乳清から,塩析,gel ?? 過およびイオン交換column chromatographyによって分離された。それらの物理化学的性質の検討をdiscおよびSDS gel電気泳動,免疫電気泳動および蔗糖密度勾配遠心分離により行ったところ,IgGとIgAの分子量,それらのsubclassと免疫化学的性質が明らかにされた。
子宮液中のimmunoglobulinについて,免疫化学的方法により同定したところ,IgGが著しく少なく,IgAと免疫化学的に共通であり,IgAより分子量の小さいimmunoglobulinが認められた。