Journal of Reproduction and Development
Online ISSN : 1348-4400
Print ISSN : 0916-8818
ISSN-L : 0916-8818
黒毛和種の卵胞刺激ホルモンを用いた過剰排卵処理に対する供胚牛の産次の影響
小西 一之鈴木 一男
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 40 巻 5 号 p. j13-j17

詳細
抄録

黒毛和種供胚牛の過剰排卵処理に影響を及ぼす要因を調べた.卵胞刺激ホルモン(FSH)を用いて過剰排卵処理した野外での成績の中から,反復処理の影響を除くために,個々の牛における第1回目の過剰排卵処理のみを対象とし,その成績(回収卵数,正常胚数)について供胚牛の産次(4水準),FSH投与量(4水準)および季節(4水準)を要因として取り上げ,分散分析を行ってそれらの影響を検討した.その結果,産次について有意な影響を認めたが,FSH投与量と季節についてはその影響を認めなかった.また,産次とFSH投与量,産次と季節,FSH投与量と季節の交互作用は認められなかった.そこで,同成績について,産次についてのみ取り上げ,未経産,初産,2産,3産,4産,5産,6産,7~9産および10産以上の9水準を設定して,分散分析を行って検討した.その結果,回収卵数,正常胚数とも未経産の成績が最も悪く,産次の進行と共に成績は上昇し,回収卵数が5産,正常胚数は6産がピークとなるパターンがみられた.
これらの結果から,黒毛和種供胚牛におけるFSHを用いた過剰排卵処理においては,産次ないしは年齢がその成績に大きな影響を及ぼすことが示された.

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top