日本繁殖生物学会 講演要旨集
第101回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-58
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卵・受精
マウスおよびブタ精子特異的ホスホリパーゼCζを利用したマウス卵子への円形精子細胞の注入後の活性化と体外発生能
*米田 明弘渡辺 智正
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抄録
[目的]精子特異的ホスホリパーゼCζ (PLCζ)は卵子内カルシウムイオンの連続的な上昇(Ca2+オシレーション)を引き起こし、PLCζ注入卵子は胚盤胞まで発生する。本研究では、円形精子細胞を注入する卵子の活性化にマウスおよびブタPLCζを利用して、卵子活性化率およびその後の体外発生率について検討した。[方法]円形精子細胞はGFP遺伝子導入トランスジェニックマウスの精巣から採取した。過排卵処理を施した雌マウスの卵管から回収した成熟卵子に様々な濃度のマウスPLCζ cRNA(0、0.2、2、20、200および2000 ng/µl)もしくはブタPLCζ cRNA(0、1、10および100 ng/µl)を注入した後、円形精子細胞を注入した。処理を施した卵子は直ちにCa2+濃度の変化をFura-2 AMを用いて測定するとともに、体外培養を行い、6時間後に前核形成率を、96時間後に胚盤胞形成率を調べた。[結果]異なる濃度のマウスPLCζ cRNAを注入したマウス卵子に円形精子細胞を注入したところ、すべての濃度において70〜90%の確率で前核形成が観察された。その場合、2 ng/µlおよび20 ng/µl濃度のマウスPLCζ cRNAを注入した卵子は、他の濃度のものに比べて胚盤胞への発生率が高くなる傾向があった。次に、異なる濃度のブタPLCζ cRNAを注入したマウス卵子に円形精子細胞を注入したところ、すべての濃度においてCa2+オシレーションが観察され、その後前核形成も認められた。10 ng/µl濃度のブタPLCζ cRNAを注入したマウス卵子に円形精子細胞を注入した時、他の濃度のものに比べて高い確率で胚盤胞に発生することが観察された。このことから、マウスおよびブタ精子特異的PLCζは十分な卵子活性化能を有し、円形精子細胞を注入する卵子や核移植に用いた卵子の活性化処理に、PLCζの利用が可能であることが示唆された。
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© 2008 日本繁殖生物学会
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