日本繁殖生物学会 講演要旨集
第105回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR2-20
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臨床・応用技術
カニクイザルにおける妊娠初期の胎児由来DNAの母体血清からの検出
*Lubna YASMIN高野 淳一朗永井 泰大月 純子山海 直
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抄録
【目的】哺乳類において胎児由来のDNAが母体の血中に存在することが知られている。我々はカニクイザルを用いて、胎児がオスの場合、Y染色体に特異的な遺伝子を母体の血清中から検出する技術を開発している。本研究は、胎児由来DNAが母体に移行する機序解明、本法による胎児の雌雄判定、さらに遺伝子診断への応用の可能性を模索することを目的としている。【材料および方法】実験には、妊娠カニクイザル30頭(各試験区10頭)を用いた。妊娠初期(5週目)、中期(12週目)、後期(22週目)の母体血清から胎児由来DNAの検出を試みた。ターゲットDNAは、Y染色体上の単一遺伝子であるSRYおよびマルチコピー配列であるDYS14とした。解析はTaqmanプローブを用いて2色のマルチプレックスリアルタイムPCRで行った。プライマーおよびプローブはアカゲザルの遺伝子情報をもとに設計した。さらにプラスミドを作成し高感度検出系を構築し、ターゲットDNAの絶対定量を行った。DNA解析後、分娩後の観察により胎児の性別を確認した。【結果および考察】オス胎児由来のSRY遺伝子およびDYS14を妊娠5、12および22週の母体の血清中から検出することができた。検出できなかったときの胎児の性はいずれもメスであった。妊娠5週目の胎児由来DNA量は極めて少ないが、高感度検出系によりターゲットDNAを確認することができた。SRY遺伝子の1mlあたりの平均コピー数は、妊娠週齢が増すにつれて上昇した。DYS14のコピー数はSRYのそれよりも多かった。DNA量が少ない妊娠5週目胎児由来のDNAを検出することができた。本法は、単胎である牛の早期雌雄判定に応用できる可能性があり、また、ターゲットDNAを変えることでヒトの遺伝子疾患の早期発見に応用できる可能性が示唆された。
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© 2012 日本繁殖生物学会
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