日本繁殖生物学会 講演要旨集
第107回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR2-10
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内分泌
NKB-NK3RシグナリングによるKNDyニューロンの神経活動同期メカニズム
*池上 花奈美辺 詩織家田 菜穂子安部 仁美後藤 哲平前多 敬一郎束村 博子上野山 賀久
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抄録

【目的】哺乳類において,視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH) のパルス状分泌は卵胞発育および精子形成に必須である。視床下部弓状核に局在するkisspeptin-neurokinin B (NKB) -dynorphin(KNDy)ニューロンはGnRHのパルス状分泌を司るGnRHパルス発生機構の本体であるとの仮説に基づき,KNDyニューロンの神経活動が同期化するメカニズムの解明を目的とした。【方法】可視化KNDyニューロンを含む視床下部内側基底部に由来する細胞の初代培養系において,細胞内Ca2+濃度を測定することで,KNDyニューロンの神経活動に対するNKB受容体 (NK3R) 作動薬の効果および,ギャップ結合の関与を検証した。Kiss1遺伝子 (キスペプチンをコードする遺伝子) プロモーター制御下においてGFPを発現するトランスジェニックマウスを用い,胎生17–18日齢に視床下部内側基底部を採取し,細胞を単離した。細胞を播種した2–6週間後に,KNDy-GFP細胞の細胞内Ca2+濃度を測定した。【結果および考察】NK3R作動薬の添加により,KNDy-GFP細胞においてCa2+オシレーションの頻度が増加し,近接するKNDy-GFP細胞間で同期していた。また,ニューロン—グリア細胞間およびニューロン—ニューロン間の各々のギャップ結合阻害剤添加により,NK3R作動薬誘導性のCa2+オシレーション頻度が減少した。KNDyニューロンがNK3Rを発現していることから,NKB-NK3Rシグナリングが自己分泌-傍分泌機構で作用することで,近接するKNDyニューロンの神経活動を同期化させることが示唆された。また,その同期化には,ニューロン—グリア細胞間およびニューロン—ニューロン間の両方のギャップ結合が関与することが示唆された。本研究は農水省「家畜ゲノムプロ」の一部として実施した。

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© 2014 日本繁殖生物学会
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