日本繁殖生物学会 講演要旨集
第108回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR1-21
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生殖工学
マウスおよびカニクイザル多能性幹細胞におけるCRISPR/Cas9を用いた発現増幅型多能性幹細胞レポーターのノックイン
*築山 智之丹羽 仁史岩谷 千鶴土屋 英明清田 弥寿成松下 淳依馬 正次
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抄録

【目的】CRISPR/Cas9を始めとするゲノム編集技術の発展により急速にゲノム改変技術が進歩している。これにより,以前では効率の悪かった複雑なコンストラクトのノックインも高効率かつ簡便に行うことが可能となっている。本研究では,遺伝子発現を増幅できるレポーターを特定の遺伝子座に発現させる技術の確立を目的とした。【方法】トランスアクチベーター活性を持つ因子をOct3/4タンパク質のC末端に2Aペプチドを介して接続した融合タンパク質を,Oct3/4遺伝子の発現制御下で発現させ,それに応答する配列を複数持つ発現制御領域下で蛍光タンパク質および薬剤耐性遺伝子を発現させる遺伝子発現増幅レポーターを,CRISPR/Cas9システムを用いて,マウスおよびカニクイザル多能性幹細胞にノックインした。【結果および考察】CRISPR/Cas9システムを用いることにより,非常に高効率で遺伝子ノックイン細胞株の樹立に成功した。遺伝子増幅系を使わない通常のレポーターに比べ,遺伝子発現増幅を行うことで,顕著に強い蛍光が検出された。本研究で使用した遺伝子発現増幅技術は,発現が微弱であることが想定されるレポーターの発現を増幅することに有用であると考えられる。

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© 2015 日本繁殖生物学会
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